電子機器組立を行っている工場では1つの製品を複数の人がそれぞれの役割分担を持って製造が行われています。ネジ止め作業だけでも数名の従業員が、電動ドライバーを利用してそれぞれの担当となる部分のネジを止めるなど、一つの電子機器を完成させる前には色々な工程があります。電子機器内部には電子部品が実装されたプリント基板が複数利用されている事もあり、複数のプリント基板を一人の人が取り付ける、ハーネスの接続を行うと作業工数が多く掛かる事になってしまいます。また、それぞれの力量と言うものがあるので、多くの作業を一人が行えば、後工程が遅れてしまう事もあります。
そこで電子機器組立は複数の従業員が決められた作業だけを行い、後工程の人にベルトコンベアなどを利用して運ぶと言うラインを構成しているのです。尚、自分が何をすれば良いのかを把握するために用意されているのが作業手順書や工程手順書と呼ばれている書類で、工場のラインにはそれぞれの役割が明確になっているページが頭上などの目に入りやすい場所に掲示してあります。電子機器組立で利用する作業手順書もしくは工程手順書は、全工程が1冊の本のような状態になっており、組立開始から完成までの一連の流れが記載してありますが、作業者は必要なページだけを見る事が出来るよう配慮が行われているのが特徴です。同じ処理を繰り返し行う事で、作業性を向上させるメリットと一定の品質を保つ事が出来る製品を作り出す事が出来ると言うメリットに繋がっています。