日本には電子機器開発に取り組んでいるメーカーが多く存在します。AV家電や生活家電、工業用の機材など電子機器はさまざまな場面で用いられるからです。一つの製品の中に多くの電子機器が搭載されていることも珍しくありません。それらの総合的な性能が、製品の良し悪しに大きく影響するのです。
そのため非常にニーズがあり、信頼性の高い国内製を使用することが多いです。しかし海外製のものを使用するケースも見られます。たとえば電動義手などの福祉機器に用いられる電子機器は海外製のものが多いです。なぜなら日本では、それらで使用される電子機器開発が盛んではないからです。
電動義手はヨーロッパの国々ではよく用いられています。しかし日本で用いている人は非常に少ないです。電動義手は非常に高額ですが、購入のための公的な支援制度が整備されていないからです。そのため一個人が購入するのは難しい状況になっています。
そのような状況なので、国内のメーカーも積極的に扱おうとはしません。一方でベンチャー企業は、そのようなマイナーな分野の電子機器開発に挑戦する傾向があります。すぐに多くの利益を上げるのは難しいですが、市場を開拓していける可能性があるのです。大手のメーカーで働いていた技術者が、本当に行いたい電子機器開発のために移ってくるケースも見受けられます。
海外への技術流出が問題視されている昨今において、国内で役立つ開発は非常に望ましいと受け止められています。